相場ガイド > 原状回復の負担区分
退去時の原状回復で最ももめやすいのが「この費用、大家と入居者のどちらが払うのか」です。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、負担の考え方が明確に整理されています。投資家・オーナーが知っておくべき要点をまとめました。
広告スペース(AdSense審査通過後に広告コードを貼付)
基本の考え方:3つの区分
| 区分 | 考え方 | 具体例 |
|---|---|---|
| オーナー負担 | 経年劣化・通常損耗、次の入居者確保のための費用 | 日焼けによる壁紙変色、家具設置跡のへこみ、画鋲・ピンの穴、通常使用の汚れ、ハウスクリーニング、鍵交換(防犯目的) |
| 入居者請求可 | 故意・過失・善管注意義務違反による損耗 | タバコのヤニ・臭い、ペットによる傷・臭い、落書き、結露を放置して生じたカビ、引越作業でつけた傷 |
| 要確認 | 原因が判別できない/判断が分かれる | 見積書に原因記載がない項目、入居年数が不明で判断できないもの |
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」。
⚠️ 最重要:経年劣化・通常損耗を安易に入居者負担と決めつけないのが原則です。「日焼け」「通常の汚れ」などは、たとえ交換費用が発生してもオーナー負担が基本です。
減価償却:入居者負担でも「全額」ではない
入居者に過失があっても、実際に請求できる金額は経過年数に応じて減額されます。壁紙(クロス)やクッションフロアは6年で残存価値がほぼ1円まで下がる、という考え方が用いられます。
具体例:入居4年でクロスを汚した場合
クロスの耐用年数を6年とすると、入居4年時点で残存価値は約1/3。仮に張替費用が6万円でも、入居者に請求できるのは概ねその残存割合に相当する部分(かつ施工費など一部を除く)に限られます。古い内装ほど入居者に全額請求はできないのがポイントです。
💡 だからこそ「入居者請求可」と判定された項目も、実際の請求額は入居年数を踏まえて計算し直す必要があります。当サイトの判定では、この点を「要確認」として明示しています。
▶ 原状回復の見積りで「誰が払う」を無料チェック
特約に注意
賃貸借契約に「ハウスクリーニング費用は借主負担」などの特約がある場合、ガイドラインの原則と異なる扱いになることがあります。ただし特約が有効と認められるには一定の要件(内容の明確さ・合意)が必要です。実際の請求可否は契約書を確認し、必要に応じて専門家(管理会社・弁護士)に相談しましょう。